2011年02月17日

不活化ポリオワクチンについて

不活化ポリオワクチンへの問い合わせが多数ありましたので、改めてお知らせします。
見やすいように、リンクではなく記事本文に記載します。

佐賀県佐賀市 統合医療やまのうち小児科・内科

不活化ポリオワクチンについて

ポリオの生ワクチンは、ポリオという病気を防ぐために行われます。
 ポリオは、熱を伴うかぜのような症状から、足腰の痛み、そして突然現れるだらんとした手や足の麻痺(弛緩性麻痺)が現れ、生涯にわたり運動障害が残ることの多い病気です。
 かつて日本には多くのポリオ患者さんがいましたが、ポリオ生ワクチンの一斉投与が行われるようになってから、その数は急激に少なくなり、1981年以来日本ではポリオの患者さんの発生はありません。アジア西太平洋地域でもポリオの発生はゼロになりつつありますが、世界中でポリオワクチンを中止にした国はまだなく、ワクチンを全く中止にして良いほどの安心できる状態にまではまだなっていません。なお、アフリカ、インド大陸などでは、まだポリオの患者さんの発生があります。
 ポリオの生ワクチンは、病原性がほとんどないポリオウイルス(弱毒ウイルス)をワクチンとして飲むことによって免疫ができ、自然のポリオウイルス(野性ウイルスまたは強毒ウイルス)の侵入が防げるものです。しかし生ワクチンの欠点として、極めて稀に、ワクチンを飲んだ人に自然のポリオと同じ様な症状が現れてしまうことがあります。これがポリオワクチンによる麻痺例 (VAPP) で、日本では約440万回接種あたり1件、数年間に1件生じています。
 またポリオのワクチンを飲んだ人の便からは、弱毒のワクチンウイルスが、1〜2カ月間排泄され続けますが、これがポリオの免疫のない人の口から入ってしまうことがあります。その多くは、ワクチンを飲んだことと同じで免疫がなかった人に免疫が出来てしまうことになりますが、ワクチンの場合とやはり同じで極めて稀に自然のポリオと同じ症状が現れてしまうことがあります。またワクチンを飲んだ人の便から現れる弱毒のウイルスが、遺伝子の構造上毒性が自然のポリオウイルスに近い形の変異株となっていることもあります。これらをあわせて、ポリオのワクチンを飲んだことのある人の家族などからポリオと同じ症状が現れてしまうことが日本ではこれまでに約580万回の接種あたりに1件ほど出ています。現在日本では、これらの極めて稀なポリオの副反応をさらに少なくするため、新しいワクチン(不活化ワクチン)の開発が進行中です。
(日本医師会のポリオについての説明文を引用しました。)

 ポリオワクチンの必要性
急性灰白髄炎 (ポリオ) は”脊髄性小児麻痺”ともよばれ、日本では自然流行が無くなりましたが、まだまだ世界では流 行しているところがあります。ポリオに感染した場合、治すための有効な治療薬はありません。ポリオに対する唯一の対 処方法は「予防」となります。そのため、世界中の国で現在でも、ポリオワクチンが接種されています。

 ポリオワクチンの種類
ポリオワクチンには、経口生ワクチン(OPV)と、不活化ワクチン(IPV)があります。 生ワクチン(OPV)は安価で効果が 高く、ポリオが蔓延している時代や地域では生ワクチンが必要です。

 経口生ワクチンの問題点
経口生ワクチン(OPV)はウィルスの毒性を弱めたものを使っているため、ワクチンを接種した人はもちろん、接種しな かった人も接種した人から、ポリオに感染する危険性があります。これをワクチン関連麻痺(VAPP)と言います。ワクチ ンを接種した人がVAPPになる確率は200万接種から486万接種に1回と言われています。ワクチンを接種しなかった人 への感染はその1/2から1/10と言われています。そのため、アメリカ、ヨーロッパだけでなく日本と北朝鮮を除く東アジア 諸国ではずいぶん前から不活化ポリオワクチンに切り替わっています。日本でも10年前の読売新聞の社説に「早く不 活化ワクチンを導入するべき」と書かれていました。

 不活化ワクチンを始めた理由
本来、国が直ちに経口生ワクチン(OPV)を中止して、注射の不活化ワクチン(IPV)を導入しなければならないと考えま す。しかし、不活化ワクチン(IPV)導入がいつになるかわかりません。わずかの確率とはいえ、経口生ワクチン(OPV)を 使用している限りVAPPは無くなりません。新聞やテレビで、この事実を知った方が不活化ワクチン(IPV)接種を希望さ れており、それに応えるために、国内未承認薬を輸入して接種することにしました。

 当院で使用するワクチン
薬剤名 : IMOVAX Polio 0.5mL
製造元 : Sanofi Pasteur
製造国 : フランス
輸入商社 : Monzen http://www.monzen.co.jp
注射部位・方法 : 腕 または 太ももに 皮下注射 または 筋肉注射

 接種スケジュール
生ワクチンを1回も接種していない場合
1回目:生後2ヶ月から
2回目:1回目の4から8週間後
3回目:2回目の6~18ヵ月後
4回目:4~6歳

すでに1回生ワクチンを接種している場合
1回目:生ワクチン接種から2ヶ月以上経過したあと
2回目:1回目の4~8週間後
3回目:4~6歳 (生ワクチンとあわせて 計4回)

 健康被害救済制度について
ワクチンによる健康被害が起こった場合、定期接種や国内承認済みの任意接種のような健康被害救済制度はありませ ん。輸入商社Monzenによる「輸入ワクチン副作用被害救済制度 による補償を受けることができます(ただし、民事裁判 により、病院・医師の無過失が認定される必要があります)。 ちなみにワクチンはフランス製で世界何十カ国で多くの子 に接種されており重篤な副反応の報告はありません。


参考
経口生ワクチンの利点・問題点
 <利点>
・定期予防接種のため、公費負担(無料)で接種できる。
・経口投与のため、注射に伴う痛みや副反応(アナフィラキシー、発赤・腫れ、神経損傷など)がない。
・万が一接種に伴い健康被害が生じた場合、国が認定すれば、予防接種法に基づき、「予防接種健康被害救済制度」により各種補償が受けられる(定期接種年齢の範囲を越え ていた場合は、「独立行政法人医薬品医療機器総合機構法」が適用される)。
 <問題点>
・下痢の際には接種ができない。
・ワクチン関連麻痺 (VAPP) の危険がある。
・免疫(抵抗力)に問題のある人には接種ができない。家族に同様の人がいる場合は接種に注意が必要となる。

 不活化ワクチンの利点・問題点
 <利点>
・軽い下痢や発熱を伴わない上気道炎ならば接種ができる。
・ワクチン関連麻痺の危険がない。
・免疫に問題があっても、接種可能なことが多い。
 <問題点>
・定期予防接種にはならないため、接種は有料となる。
・免疫を保つためには繰り返し接種が必要。
・日本では未承認の薬のため、万が一接種に伴い健康被害が生じた場合、予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の健康被害救済制度も適用されない(ワクチン輸入商社による補償制度は整備されている)。
・皮下または筋肉注射のため、注射に伴う痛みや副反応(アナフィラキシー、発赤・腫れ、神経損傷など)の可能性がある。
・抗生剤のネオマイシン、ストレプトマイシン、ポリミキシンBでアナフィラキシーを起こした場合は、接種できない。

自費ワクチンで、さらに補償制度も手厚いものではないので、十分ご理解の上お申し込みください。
posted by くま at 18:02| Comment(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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