2012年11月19日

5つの病因論 金属汚染について第2回目

前回の続きです。
水銀の害について



【Vol.43】5つの病因論 金属汚染について第2回目
 前号に続き金属汚染のお話です。

 水銀が体内に入ってくる例として、ワクチンに使用されている「チメロサール(エチル水銀チオサリチル酸ナトリウムの商品名。水銀化合物)」という保存料があります。一時期、発達障害(自閉症)の原因になるのではないかと問題になり、報道もされていました。現在は、徐々にチメロサールを使用したワクチンは減ってきていますが、完全になくなったわけではありません。今のところ、疫学的研究によってチメロサールと発達障害に関連性はないと言われていますが、水銀が体内に入らない方が良いことは明白です。

 ひとつ印象に残っているのが、数年前のインフルエンザ騒動の際、医療関係者向けの講習会に参加したときのことです。講師の方がインフルエンザワクチンの買い占めをしないようにというお話をされた後、「もしワクチンが余っても決してその辺に捨てたりしないでください。土壌から水銀が検出されたら大変なことになります」とおっしゃいました。「そのようなものを人体に注射して良いのでしょうか?」とツッコミを入れたくなりましたが、一般的な西洋医療関係者の集まりだったので黙っていました。その場にいたドクターやナースからも全く質問や意見はありませんでした。金属汚染、それも毒性の高い水銀に対しても医療関係者の理解が無いことは、個人的にはインフルエンザの流行以上に問題があると感じた出来事でした。

 水銀は大型魚を食べることでも体内に入ってきます。マグロ、カジキなどの大型魚やクジラ、イルカなどの海洋哺乳類から高濃度のメチル水銀が検出されています。特に胎児はメチル水銀の影響を受け易いということが分かっており、厚生労働省は妊娠している方、妊娠の可能性のある方に対して、これらの魚介類の摂取量の目安を定めています。例えばメカジキは1回約80gとして妊婦は週に1回まで(刺身一人前当たり80g程度)と細かく設定されています。当院の近くの回転寿司屋さんは、毎日大盛況ですが、みなさんこの事実をご存じなのか心配になることがあります。お寿司屋さんやスーパーの魚売場にこの摂取量の目安を表示すべきだと思うのですが……。

 最後に水銀汚染の隠された?事実ですが、歯科金属には水銀が含まれることがあります。「アマルガム」といわれる水銀、銀、スズ、銅、亜鉛等の合金で、その成分の50%近くが水銀です。かつては、奥歯の虫歯を治療した後に銀色の詰め物がある場合、ほとんどがアマルガムでした。近年は減ってきているようですが、未だに健康保険の適応があり、歯科医院によっては使用される場合もあるようです。お口の中をみて、少し黒ずんだ銀歯があれば、アマルガムの可能性が高いです。世界的には、イギリスやスウェーデンでは妊婦へのアマルガム使用は制限されていますし、アメリカでもアマルガムを撤廃する動きがあるようです。ところが日本は腰が重く具体的な動きはありません。現在、国連環境計画において「水銀条約(国際的な水銀管理のための条約)」の制定に向けて国際的な調整が行われているようです。本来なら水俣病を経験した日本が率先して、まず国内から水銀の使用制限を今以上に進めていくべきではないかと思っています。

妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂取量(筋肉)の目安
摂取量(筋肉)の目安
魚介類
1回約80gとして妊婦は2ヶ月に1回まで (1週間あたり10g程度) バンドウイルカ
1回約80gとして妊婦は2週間に1回まで (1週間あたり40g程度) コビレゴンドウ
1回約80gとして妊婦は週に1回まで (1週間あたり80g程度) キンメダイ、メカジキ、クロマグロ、メバチ(メバチマグロ)、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラ
1回約80gとして妊婦は週に2回まで (1週間あたり160g程度) キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツ
(参考1)
マグロの中でも、キハダ、ビンナガ、メジマグロ(クロマグロの幼魚)、
ツナ缶は通常の摂食で差し支えありませんので、バランス良く摂食してください。
(参考2)
魚介類の消費形態ごとの一般的な重量は次のとおりです。
・寿司、刺身…一貫または一切れあたり15g程度
・刺身……… 一人前あたり80g程度
・切り身…… 一切れあたり80g程度
posted by くま at 12:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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